家族の写真を撮るのは楽しいです。身近な人たちで緊張もしないし、気軽に写真も撮れて、それが自分にしか撮れない写真だったりする。
でもその気楽さに甘えてしまって家族に無理をさせてはいないでしょうか。
この記事では、通算5万枚以上家族のスナップ写真を撮ってきた私が、いつも写真を撮るときに気をつけていることを書いています。
先に結論を書いておきます。
結論
- 相手に負荷を与えていないか定期的にチェックしながら、敬意を持って撮影すること
- 「カメラを見て家族や子どもを見ず」という状況にならないように。カメラから離れる勇気もときには必要
- 自分が楽しんでいる姿を家族に見せられているか。イライラしてたら本末転倒。
それでは1つずつ見ていきましょう。
相手に負担を与えていないか注意深くなる
「撮られる」はそれだけでストレスになる
自分自身が写真を撮る側になっていると気づきにくいですが、写真を撮られることはストレスです。
「ストレスに感じない人もいる」というのはラッキーなパターンであって、たいがいの人は「写真が嫌いである」と思っておいたほうが安全でしょう。
それは写真を撮る相手が父親であっても母親であっても、子どもが撮ってくるパターンであっても同じです。
まず大前提として「ストレスを与えてしまっているかも」という認識にたつことが大事です。
愛情があっても敬意がなければそれは押し付け
でもだからといって写真を撮るな、と言ってるわけではありません。自分がもしかしたらストレスを与えているかもしれない、と思った上で次に大事なのが「敬意」です。
敬意とはなんでしょう。
私は「相手のことを思いやること」だと思います。
- このような写真を撮られて嫌な気持ちになっていないか
- 相手の行動を阻害していないか
このようなことを考えるためには「自分が同じシチュエーションで撮られててイヤにならないか」を想像してみることが大事です。
負担を与えない撮影スタイルを心がける
撮影スタイルを少し変えるだけでも、家族への負担を減らすことができます。
シャッター音を小さくする
一番ストレスなのはシャッター音です。シャッター音も静音モードがあったりするので、できるだけそれにしたほうがいいでしょう。また一眼レフを選ぶ際にもシャッター音が大きすぎるのは家族のスナップには向かないかもしれません。
連写をしないようにする
連続で撮影をすることはあると思います。数秒の間に複数回のスピードで連続してシャッターを押すのは、そこまでストレスを与えません。しかし、デジカメの連写モードは避けたほうがいいでしょう。
連写モードはその連続音(カシャシャシャシャ)だけで、相手をびっくりさせますし、相手の行動を止めてしまいます。「撮られている感」がとても強いです。
私は家族の写真を撮るときに「連写モード」は使ったことがありません。ほぼ不要だと思います。
ミラーレス一眼・コンパクトカメラを使う
これは機材レベルの話ですが、ミラーレスカメラ・コンパクトカメラはオススメです。
一眼レフのシャッター音はカメラの内部にあるレフ板が跳ね上がりもとに戻る動作音のことです。これは機構上どうしてもなくすことができません。
一方でミラーレス一眼やコンパクトカメラは、電子シャッターによる撮影にすれば基本的にはシャッター音がない無音撮影ができます。もちろん盗撮防止に一定の音がなるようになっていることも多いですが、一眼レフのシャッター音よりはかなり小さくすることができます。
操作音が鳴らないようにする
一番よくない操作音はオートフォーカス音(AF音)です。AF音はピピッという音がでるようにデフォルトでなっていたりしますが、これは絶対にOFFにしたほうがいいです。
AF音がなることで相手に「今から写真撮るよ!」と宣言しているようなものになってしまいますし、ただただ緊張を強いることになります。
写真はあくまで「そっと切り取る」だけ。ガシガシ、ゴリゴリ写真を撮っていくのは家族にとってもストレスになっちゃいます。
写真とカメラに夢中になりすぎない
記録係にならない
写真を撮るときには、少し距離をとってみたり、角度を変えて撮るために立ち位置を変えたりすることも多いでしょう。
そうなると実は自分だけ家族で何かをしている輪の外に出て、記録係のような立場になってしまうことがあります。これはやっぱりあまり良くないと思っています。
子どものなかで「パパは写真撮っている人だよね」と冷ややかな目で見られるようになったら微妙だと思います。
眼の前のことに一緒に夢中になる
だからこそ、一番大事なのはカメラと写真を忘れて、一緒に遊ぶことです。
特に子どものいい写真を撮ろうと思ったときには、子どもと一緒になって日々を楽しむことが大事です。子どもの笑顔を引き出すのは写真ではなくて、親として一緒に遊んであげているかどうかです。
たまに「ほら楽しそうに笑って」と言いながら写真を撮っている親を見ますが、それはナンセンスだと思います。一緒に楽しめば子どもは自然と笑顔になるはずです。そこからカメラで切り取ればいいだけです。
カメラや写真に固執せず、ちゃんと家族と一緒に楽しめてる?という自問自答を時々しています!
写真はあくまで「私の」趣味
写真が家族の全てではない
あくまでも「写真は自分の趣味」であるという認識を強く持っておくことが大事だと思います。
いわゆる趣味の押し付けになってしまっては、家族の反感を買います。
家族に写真を見せたい、となっても家族が「それは今じゃない」とするなら、それは今じゃないのでしょう。あくまで一個人の趣味である、という点に注意して、ヘタに出しゃばらないように気をつけています。
私が楽しめている姿を見せられているか
妻はよく「あなたが写真を楽しそうに撮ったり、現像したりしているのを見るのが好き」と言ってくれます。「楽しそうにしているのを見るのは嬉しいし、好きなことを楽しそうにやっている姿を子どもにも見せてあげてね」とも言ってくれます。
これは結構実は重要なことなのかな、と思います。
せっかく好きで始めた趣味のカメラ・写真です。スランプになることもあるかもしれませんけど、変に不機嫌になったりするようなら思い切って少し距離をおいてみるのもいいと思います。
自分が楽しそうに写真とれてるか、というのも時々振り返ってみてます。
まとめ
まとめです。
関係性があってこそ写真は素敵になる。だから家族との関係性を大事に。
結局、カメラや写真はそれ単体で家族関係を良くするものではありません。カメラも写真は結局そういった関係性からの光景をただ切り取るだけ。
写真を撮れば家族関係が良くなるなんてことはないです。そこに注意したいです。
あくまで家族とのリレーションシップがきっちりあって、子どもが素敵な笑顔を向けてくれていて、それをカメラが切り取れるだけ。
むしろカメラは関係性を悪化させうる要因になると理解して、慎重になりたいと思っています。
結論
- 相手に負荷を与えていないか定期的にチェックしながら、敬意を持って撮影すること
- 「カメラを見て家族や子どもを見ず」という状況にならないように。カメラから離れる勇気もときには必要
- 自分が楽しんでいる姿を家族に見せられているか。イライラしてたら本末転倒。
いかがだったでしょうか。
好きな写真とカメラだからこそ、家族と楽しむためにはちょっと客観的な視点も必要だなと思っています。
私は一眼レフからコンパクトカメラに切り替えることで、家族の負担がとてもなくなったように思います。GRⅢ、オススメですよ!